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長野地方裁判所 昭和60年(わ)292号 判決

本店の所在地

長野市篠ノ井小森四七七番地一

光葉スチール株式会社

(右代表者代表取締役 牛越経基)

本籍

長野市篠ノ井布施高田八四六番地

住居

長野市篠ノ井小森八一七番地一

会社役員

牛越経基

大正九年五月二四日生

右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官吉田博視出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人光葉スチール株式会社を罰金二〇〇〇万円に、被告人牛越経基を懲役一年二月にそれぞれ処する。

被告人牛越経基に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人光葉スチール株式会社(以下、「被告会社」という。)は、長野市篠ノ井小森四七七番地一に本店を置き、鋼鉄製事務器の製造販売等をする資本金一〇〇〇万円の法人であり、被告人牛越経基(以下、「被告人」という。)は、右会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人牛越は、被告会社の業務に関し、法人税を免れる目的で、売上を除外して簿外資金を蓄積するなどの不正の方法により所得を隠匿したうえ

第一  昭和五五年一〇月一日から同五六年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億二三七四万六〇〇〇円あったにもかかわらず、同五六年一一月三〇日、長野市西後町六〇八番地の二所在の所轄長野税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一億五九四万二一〇一円であり、これに対する法人税額が三九八〇万八〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、同会社の右事業年度の正規の法人税額八九二八万九〇〇円と右申告税額との差額四九四七万二九〇〇円を逋脱し

第二  昭和五六年一〇月一日から同五七年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が六七五三万二七八八円あったにもかかわらず、同五七年一一月三〇日、前記長野税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四三八八万七〇六三円であり、これに対する法人税額が一二三八万二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、同会社の右事業年度の正規の法人税額二二三〇万四八〇〇円と右申告税額との差額九九二万四六〇〇円を逋脱し

第三  昭和五七年一〇月一日から同五八年三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億三五七五万三六五五円あったにもかかわらず、同五八年一一月三〇日、前記長野税務署において、同税務署長に対し、所得金額が八八三一万九一七九円であり、これに対する法人税額が三一五五万一二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、同会社の右事業年度の正規の法人税額五一四六万九七〇〇円と右申告税額との差額一九九一万五八〇〇円を逋脱し

たものである。

(証拠の標目)

一  被告人の

1  当公判廷における供述

2  検察官に対する各供述書(五通)

3  収税官吏に対する各質問てん末書(三〇通)

一  牛越好子(九通)、牛越忠恒(二通)、牛越洋介(二通)、曽根原重成、北山千恵子(二通)、児島和子の検察官に対する各供述調書

一  収税官吏作成の告発書、各修正損益計算書(三通)及び各調査書(検察官証拠等関係カード甲番号11から51)

一  長野税務署長作成の証明書

(法令の適用)

罰条

株式会社 法人税法一五九条一、二項、一六四条一項

被告人 法人税法一五九条一項

刑種の選択

被告人につきいずれも懲役刑

併合罪の処理

被告会社 刑法四五条前段、四八条二項

被告人 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(最も重い判示第一の刑に加重)

刑の執行猶予

被告人につき 刑法二五条一項

(求刑 被告会社二五〇〇万円、被告人懲役一年二月)

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 尾崎俊信)

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